2016年8月に行われた、第1回キャリアコンサルタント 学科試験問題の問1について。
国家資格キャリアコンサルタント過去問題一問一答集、詳しい解説・出典付き。
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問題
個人の主体的な能力開発の支援についての問題でした。
各選択肢について
本問は第10次計画からの出題となっています。
2021年3月、厚生労働省は「第11次職業能力開発基本計画」を発表しました。
最新版を終えておきましょう♪
1つ目の選択肢
×
頻出資料第10次職業能力開発基本計画~生産性向上に向けた人材育成戦略~の冒頭の総説では、グローバル化の進展や技術進歩、経済のサービス化による産業構造の変化等を背景に、ビジネス環境・就業環境はいよいよ速く変化し、労働者に求められるスキルも大きく変化していくことが見込まれるので、これに伴う人材ニーズの変化に機動的に対応する職業能力開発施策が求められる、としています。
選択肢にある、「個人の意向にかかわらず、この分野への円滑な労働移動が可能となる能力開発の支援を何よりも優先して行うべきである」といった支援は不適切と言えます。
2つ目の選択肢
〇
第10次職業能力開発基本計画~生産性向上に向けた人材育成戦略~9ページの、以下の記載からの内容でした。
非正規雇用労働者の中でも、特に、新卒時にいわゆる就職氷河期に直面し、不本意に非正規雇用に就いた者等については、職業能力開発機会が乏しいことが課題となっていることから、雇用対策と一体となって、これらの者に対する継続的支援によるキャリアアップの実現が引き続き重要である。
3つ目の選択肢
×
60歳以降の男性の就業率は、国際比較でみても確かに高く、継続意欲も高いのですが、特徴は【「仕事そのものが面白い」が最も高い】のではなく、60~64歳層では「経済上の理由」が最も高く、65~69歳層では、「経済上の理由」の割合が小さくなり、「いきがい・社会参加」や「頼まれた」といった社会とのつながりによる理由が高くなっています。
「平成28年版厚生労働白書 -人口高齢化を乗り越える社会モデルを考える-」によると、「高齢者の就業者数は年々増加、60歳以上の男性の就業率は各国と比較して高水準」(33ページ)。
また「平成24年版 労働経済の分析 -分厚い中間層の復活に向けた課題-」第一節によると、
- 国際的にみると特に男性で高い労働力率
- 高い就業意欲
さらに253~254ページに以下の記載があります。
高齢者の主な就業理由を第3-(1)-66図により、性・年齢別にみると、男性の55~59歳層、60~64歳層では、「経済上の理由」が最も高くなっている。長期的推移をみると、「経済上の理由」がやや低下し、代わりに「いきがい・社会参加」が上昇傾向にある。65~69歳層では、「経済上の理由」の割合が小さくなり、「いきがい・社会参加」や「頼まれた」といった社会とのつながりによる理由が高くなっており、長期的にも上昇傾向にある。
4つ目の選択肢
×
自己啓発に関わる課題としては、「自分の目指すべきキャリアがわからない」とする人よりも、「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」とする人が最も多くなっています。
平成28年度「能力開発基本調査」37ページに以下の記載があります。
自己啓発を行う上で「問題がある」と感じる者は正社員で78.9%(前回78.4%)、正社員以外で70.7%(前回70.3%)。
問題点の内訳は、正社員、正社員以外ともに「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」(正社員:57.5%、正社員以外:40.4%)が最も多く、その次に多い回答が、正社員では「費用がかかりすぎる」(28.0%)、正社員以外では「家事・育児が忙しくて自己啓発の余裕がない」(34.7%)、とのことでした。
正解
2
参考
第1回 学科試験 問1~問50
問1 問2 問3 問4 問5 問6 問7 問8 問9 問10 問11 問12 問13 問14 問15 問16 問17 問18 問19 問20 問21 問22 問23 問24 問25 問26 問27 問28 問29 問30 問31 問32 問33 問34 問35 問36 問37 問38 問39 問40 問41 問42 問43 問44 問45 問46 問47 問48 問49 問50