目次
認知行動療法の背景
1970年代に入ると、認知心理学の隆盛に伴い、行動療法においても認知的アプローチが試みられるようになった。
- バンデューラが行動を観察学習やモデリングなどの社会学習論で説明
- エリスが論理情動療法を提唱
- ベックが認知療法を提唱
このようなことを背景に、認知療法と行動療法の統合を試みる認知行動療法が誕生。
エビデンスベイストの源流は行動療法と認知療法。
認知行動療法の主要概念
認知行動療法ではクライエントの問題や症状を、環境と、それに対する個人の反応との相互作用という観点で理解する。
クライエントの反応は、以下の4種類。
- 認知
- 行動
- 感情
- 身体反応
これらの反応と、状況や他者といった環境の相互作用によって、クライエントの問題が発生すると考える。
相互作用を理解するにあたっては、行動を「刺激-反応-結果」という3つの枠組みで捉える三項随伴性に依拠し、問題が維持・促進されている要因を特定し、その変容に焦点を当てる。
認知行動療法の特徴
認知行動的アプローチでは、認知・感情・行動のつながりを理解することから始まり、特に「認知」の重要性が強調される。
認知行動的アプローチでは、過去の経験よりも、現在抱えている問題が改善しなかったり悪化したりする過程に目を向けていく
認知行動的アプローチでは、現在の問題行動のパターンや考え方を重視するが、それらに影響を与えてきた過去の経験も含めて理解する。
認知行動的アプローチの特徴は、ソクラテス式質問法を中心とした積極的なコミュニケーションにある。
認知行動療法は、クライエント自身の問題行動に対するセルフコントロールの力を重視し、クライエントと治療者の共同作業を通して問題解決過程をクライエント自身が学習する。(第13回 問34)
認知行動療法は、認知のあり方を変えることによって、行動を変容しようとするものも含む。(第13回 問34)