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論理療法を提唱した人
論理療法を提唱した人は、アルバート・エリス(Ellis, A. 1913-207)。
ベックの認知療法に大きな影響を与え、認知行動療法の発展に大きく寄与した。
論理療法の基本的な考え方
論理療法は、人間の行動と価値観、情緒反応の相互作用に着目。
人の感情は、それに先行する出来事によって直接引き起こされるのではなく、その出来事をどう受け止めるかという信念によって生じると考える。
論理療法では、不快な感情は、非論理的信念(イラショナル・ビリーフ)によって生起すると考え、非論理的信念(イラショナル・ビリーフ)を論理的信念(ラショナル・ビリーフ)に置き換えることを目的とする。
論理療法の基礎理論、主要概念
論理療法の基礎理論は「ABCモデル」。
ABCモデル
A=出来事(Activating-event)
↓
B=信念(Belief)
↓
C=結果(Consequence)
クライエントの多くは、A(出来事)が直接の原因となり、現在の問題のC(結果)となっていると思い込んでいるが、実はAとCの間にあるB(信念、ビリーフ)こそがC(結果)の原因、と考える。
ABCDEモデル
ABCDEモデルは、ABCモデルを発展させたもの。
A=出来事(Activating-event)
↓
B=信念(Belief)←D=論駁(Dispute)
↓ ↓
C=結果(Consequence)←E=効果
クライエントのイラショナル・ビリーフに対して、カウンセラーが事実に基づく証拠によって論理的に反論(D=論駁)することで、理不尽な思い込みを砕き、クライエントのイラショナル・ビリーフが不合理で目的達成を妨げるものであることを理解させる。
すると、E(効果)として新たに効果的な考え方ができるようになる。
イラショナル・ビリーフとラショナル・ビリーフ
イラショナル・ビリーフ | ラショナル・ビリーフ |
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イラショナル・ビリーフの4分類
国分康孝先生(エリスの弟子)によると、イラショナル・ビリーフは以下の4種類。
- ねばならぬビリーフ
- 非観的ビリーフ
- 非難、卑下的ビリーフ
- 欲求不満低耐性ビリーフ