国家資格キャリアコンサルタントの学科試験に出る「行動療法」について。
行動療法を体系化した人たち
心理療法の一つである行動療法を体系化した主な人として覚えておきたいのは、
- パブロフ(Pavlov,I.P.)
- スキナー(Skinner,B.F.)
- ウォルピ(Wolpe,J.)
の3人。
行動療法の考え方
行動療法は、人間の行動は後天的な学習によって獲得されるという、学習理論に基いている。
不適応行動や問題行動は学習によって形成されるため、治療も学習によって可能であると考える。
行動療法の学習理論と技法
行動療法の学習理論には、以下の3つがある。
- レスポンデント条件付け
- オペラント条件付け
- 観察学習(モデリング)
レスポンデント条件付け(古典的条件付け)
いわゆる「条件反射」。
パブロフの実験で説明される条件付け。
レスポンデント(respondent)=応答、反応。
系統的脱感作
行動療法の代表的な技法。
逆制止の原理に基づき、不安などを引き起こす条件刺激に対する過剰な感受性を、段階的に弱めていく。
ウォルピによって開発された。
- 不安階層表作成
- 弛緩訓練
- 脱感作
主張訓練法
アサーション(assertion)=主張、断言。
心理学では、自己の主張を易しく論理的に行うこと。
オペラント条件付け(道具的条件付け)
ソーンダイクの犬、スキナーのネズミによる実験で説明される。
オペラント(operant)=作用する、自発的な
三項随伴性=行動を「刺激-反応-結果」という3つの枠組みで捉える。
自発的行動に何らかの正の強化刺激が与えられるか、負の強化刺激が取り去られると、その行動の生起頻度が高まる現象。
応用行動分析
変容させたい問題行動を生じさせる先行刺激と、問題行動の後の後続刺激を分析。問題の維持要因となっている環境との相互作用について仮設生成・検証を行う。
「先行刺激」と「結果」との関係からすべての「行動」を捉えていき、「先行刺激」と「結果」のいずれかに介入することで、行動の変容を図る。
トークン・エコノミー法
一定の課題を正しく遂行できたとき、あらかじめ約束した条件に従ってトークンを報酬として与え、目標とする行動を強化する。
トークン(token)=しるし・兆候、記念品・土産、代用貨幣、商品券、引換券、図書券 等
シェイピング法
ある目標に対して、下位の目標を定めて段階的に達成させる方法。
社会的学習理論
社会的学習=他者の影響を受けて、社会的習慣、態度、価値観、行動等を習得していくこと。
社会的学習理論においては、学習者自身が行動した結果、外的強化を受けることなく成立する学習を重視する。例えば、ある目標を達成して達成感を得ることなど。
モデリング
他者の行動やその結果を手本として観察することにより、観察者の行動に変化が生じる現象。
望ましい行動を直接あるいは映像で見せ、クライエントがそれを模倣することで適応行動を習得すること。
ロールプレイを含む。