第9回 キャリアコンサルタント 実技(論述)試験問題(キャリ協)、問3 (2)の解答例と解説。
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第9回 キャリアコンサルタント 実技(論述)試験問題(キャリ協)
設問3
この事例の展開に関し、以下の問いに答えよ。((1)と合わせて30 点)
(2) 設問3(1)で解答した2つのうちいずれかを選択して、キャリアコンサルタントとしてあなたはこの面談で、この後どのような働きかけを行うか、具体的に記述せよ。
解答例
※本番では①と②どちらか1つの解答でOK※
① 鉄道各社で今後少数でも採用するなら、求められる人材研究や面接対策を行うこと
Zさんの就職活動での今までの頑張りをねぎらい、あきらめきれない鉄道に対する思いに寄り添いながら、鉄道会社への就職を目指す活動を支援する。具体的には、学校のキャリアセンターや鉄道会社に就職した先輩などと話すことを提案し、同意が得られれば、鉄道会社の今後の採用動向を確認し、鉄道各社が求める人材について理解を深めるための支援を行う。その上で、厚生労働省の「エンプロイアビリティチェックシート」を紹介し、同意が得られれば、面接で訴求力のある自己PR材料を洗い出す支援を行い、Zさんが悔いの残らない就職活動を進められるように支援したい。(264文字)
② 鉄道会社向けの活動を再開しつつ、他の業界にも目を向け業界研究を進めること
Zさんの就職活動での今までの頑張りをねぎらって鉄道に対する思いに寄り添い、鉄道会社向けの就職活動を再開し、一方で鉄道以外の業界にも視野を広げて業界研究を進める支援を行う。具体医的には、鉄道会社の今後の採用動向に関する情報収集を提案し、学校のキャリアセンターや鉄道会社に就職した先輩などから情報を収集、さらに、鉄道各社が求める人材について理解を深め、面接対策を行うための支援を行う。その上で「キャリア・インサイト」を紹介し、同意が得られれば、自身の適性や能力に関する自己理解を深め、鉄道以外に関心を広げられるよう支援したい。(261文字)
解説
①について
CLは鉄道会社への就職を目指して頑張って活動してきましたが、思うように結果が出ず落ち込んでしまい、自信もなくして今後どうしていいのかわからないでいます。そのため、今までの頑張りをねぎらい、あきらめきれない鉄道への思いに寄り添うことを述べました。
視野が狭いとはいえ、鉄道会社を今諦めるのはまだ早いかもしれないので、まずは鉄道各社の今後の採用活動の情報収集を促します。採用数は少ないかもしれませんが、書類選考には2社通った実績があるので、企業面接対策をきちんと行えれば、就職につながる可能性はあるのではないか。
鉄道会社の求める人材を理解し、さらに自己PRの材料を改めて洗い出し自己理解を深めて、Zさんが就活でやり残し感のないように支援できるとよいと考えました。
②について
CLは鉄道会社への就職を目指して頑張って活動してきましたが、思うように結果が出ず落ち込んでしまい、自信もなくして今後どうしていいのかわからないでいます。そのため、今までの頑張りをねぎらい、あきらめきれない鉄道への思いに寄り添うことを述べました。
鉄道会社への就職に関しては、もう少しできることがありそうなので、まずその支援を行います。
とはいえ、Zさんは鉄道会社だけにこだわり、視野が狭いのが課題であるとも考えられます。そのため、キャリア・インサイトで自己理解と、自分の適性や関心に合う職種や業界を知り視野を広げる支援を行えれば、と考えました。
ポイント
- (1)で記した2つの提案のうち1つを選択し、この面談を続けるとしたらどのような働きかけをするか、具体的な方策を記述します。
- 問われる能力は以下の2つ。
①CCとしての見立てをする能力
②その見立てに対して方策を考える能力。 - 自分が働きかけやすいテーマを選ぶのも1つのポイントとなります。
- CLへの働きかけなので、
・構築した信頼関係の維持
・CLの自律・主体性支援
の観点から、
・CLの気持ちに寄り添う
・今までの努力を称賛する
・方策の実現性を考慮しながら、CLと一緒に目標、計画を設定する
という姿勢を内容に盛り込みます。 - 記述方法:文章、箇条書き、どちらでもOK。
- 文字数:回答欄は、A4サイズの紙に7行。
230~280文字程度を目安とします。
第9回 実技(論述)(キャリ協)