2018年8月に行われた、第9回キャリアコンサルタント 学科試験問題の問5の解説解題。
国家資格キャリアコンサルタント過去問題一問一答集、詳しい解説・出典付き。
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目次
問題文
キャリアコンサルタントの職業倫理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
選択肢
- 外国人に対して、英語によるキャリアコンサルティングを依頼されたが、意思疎通できるだけの語学力がないため、依頼者に対して外国人の相談実績のあるキャリアコンサルタントを紹介した。
- 相談の過程で、相談者がなかなか決断できないようだったので、キャリアコンサルタントの価値判断でアドバイスし、時間内で結論を出すことができた。
- キャリアコンサルタントが相談期間中に介護休暇を取る予定があったが、相談者に不安を与えるので、事前に説明を行わなかった。
- 相談の過程で、相談者の職場環境が相談者の抱える問題に影響していることがわかったので、相談者に黙って職場の上司に報告した。
正解
1
キャリアコンサルタントとしての姿勢についての問です。
普通に考えてそれってどうよ、という選択肢ばかりですが、倫理綱領が存在するので、それに沿って考えましょう。
各選択肢を検討
特定特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会が定めている「キャリアコンサルタント倫理綱領」を手掛かりに考えます。
私が受けているキャリコン養成講座のテキストでは1冊目の巻末に収録されています。
1つ目の記述
適切です。
倫理綱領第8条から、適切な対処だったと考えられます。
(任務の範囲)
第8条 キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを行うにあたり、自己の専門性の範囲を自覚し、専門性の範囲を超える業務の依頼を引き受けてはならない。
2 キャリアコンサルタントは、明らかに自己の能力を超える業務の依頼を引き受けてはならない。
3 キャリアコンサルタントは、必要に応じて他の分野・領域の専門家の協力を求めるなど、相談者の利益のために、最大の努力をしなければならない。
2つ目の記述
不適切です。
倫理綱領第9条から、NG行為と考えられます。
(相談者の自己決定権の尊重)
第9条 キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを実施するにあたり、相談者の自己決定権を尊重しなければならない。
3つ目の記述
不適切です。
相談期間中のキャリコンの休暇予定は、第7条の説明の必要な「その他必要な事項」に該当すると思われます。よってこの行為はNG。
(説明責任)
第7条 キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを実施するにあたり、相談者に対してキャリアコンサルティングの目的、範囲、守秘義務、その他必要な事項について十分な説明を行い、相談者の理解を得た上で職務を遂行しなければならない。
4つ目の記述
不適切です。
倫理綱領第11条から、NG行為と考えられます。
普通に考えてもNGだと思いますが。
(組織との関係)
第 11 条 組織との契約関係にあるキャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを行うにあたり、相談者に対する支援だけでは解決できない環境の問題や、相談者の利益を損なう問題等を発見した場合には、相談者の了解を得て、組織への問題の報告・指摘・改善提案等の環境への働きかけに努めなければならない。
参考、用語
特定特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会「キャリアコンサルタント倫理綱領」