2018年8月に行われた、第9回キャリアコンサルタント 学科試験問題の22について。
国家資格キャリアコンサルタント過去問題一問一答集、詳しい解説・出典付き。
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問題文
我が国の労働市場に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
- 景気の回復を受けて雇用情勢の改善が続いており、2017 年度の完全失業率は5%台で推移した。
- 日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(短観)によれば、直近5 年間の非製造業における人手不足感は特に高まっている。
- 有効求人倍率は近年上昇を続けており、2017 年度に2 倍を突破した。
- 正社員の有効求人倍率(季節調整値)は、2004 年に集計を開始して以来現在に至るまで、1倍を下回ったままである。
正解
2
各選択肢を検討
近年の労働行政と労働市場に関して、労働市場の統計からの設問です。
1つ目の記述
キャリコンとしては必読の労働力調査。総務省統計局内「平成29年 労働力調査年報」ページの基本集計に以下の記載があります。
完全失業率(労働力人口に占める完全失業者の割合)は,2017 年平均で 2.8%と,前年に比べ 0.3 ポイントの低下(7年連続の低下)となった。
ちなみに、2018年の完全失業率平均は 2.4%(8年連続の低下)。
2つ目の記述
日本銀行>統計>短観 のページもありますが、出典は厚労省「労働経済白書(労働経済の分析)」と思われます(養成講座テキストでは「キャリコンとして把握すべきデータ」として挙げられています)。
平成29年版 労働経済の分析 -イノベーションの促進とワーク・ライフ・バランスの実現に向けた課題-
上記資料第2章第3節人手の過不足感の状況では、冒頭のリード部分に「●特に非製造業で人手不足が進行しており、全体的にバブル期に次ぐ不足感」とある他、日銀の短観をもとに作ったグラフに「産業別に雇用人員判断 D.I. をみると、全産業、製造業、非製造業はいずれも不足感が高まっており、特に非製造業の不足感が高くなっている。」という説明が添えられています。
3つ目の記述
有効求人倍率は厚労省が調査していて、報道関係資料の中にある他、総務省統計局のサイト中でも確認できますが、労働経済白書で見ていくとわかりやすいです。
平成29年版 労働経済の分析 -イノベーションの促進とワーク・ライフ・バランスの実現に向けた課題-
上記資料第2章第1節冒頭に次のような記載があります。
有効求人倍率は 2009 年8月を谷として上昇を続けており、2017 年3月には 1.45 倍と1990 年 11 月以来 26 年4か月ぶりの高い水準となった。
ちなみに、厚労省一般職業紹介状況ページに「平成30年(2018年)平均の有効求人倍率は1.61倍となり、前年の1.50倍を0.11ポイント上回りました。」とあるように、2017年平均は1.50倍でした。
4つ目の記述
平成29年版 労働経済の分析 -イノベーションの促進とワーク・ライフ・バランスの実現に向けた課題-
上記資料第2章第1節冒頭に次のような記載があります。
正社員の有効求人倍率は 2017 年3月に 0.94 倍となり、統計を取り始めた 2004 年 11 月以降、過去最高の水準となった。
が、2018年7月28日の日経新聞記事によると、2018年6月の正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月より0.02ポイント高い1.01倍となり、2004年の調査開始以来初め求人が求職を初めて1倍を超えたそうです。
ちなみに、厚生労働省が4月26日に発表した2018年度の正社員有効求人倍率は過去最高の1.13倍。
2019年度は今のところ、さらに改善しています。