問題
次の【事例記録】を読み、以下の設問に答えなさい。
解答は解答用紙の設問ごとに記述すること。
【事例記録】
1.相談者情報 Zさん、男性、58 歳、四年制大学(工学部電気学科)卒業後、電気機器製造会社に入社し36 年。
家族構成:妻(パート職員)、長男(大学1年生)、次男(高校1年生)
2.来談の経緯 平成30年11月末 本人の希望で来談
Zさんは電気機器製造会社の工場において、主に製造技術、生産管理の仕事に携わってきたが、60歳で定年になるため、そろそろ今後のことを考えなくてはと思っている。子供の学費もかかるので働き続けなければならないと思っているが、具体的にどうしたらよいかわからず来談した。
3.逐語(一部抜粋):CC はキャリアコンサルタント、CL は相談者の発言を示す。
(これより以前の逐語は省略)
CC1 定年後もお仕事をしたいということですね。
CL1 はい、今年58歳になったので、そろそろ定年後の仕事について考えなくてはと思っています。ただ、自分は今の会社の、しかも工場のことしか分からないので、自分が他の会社で通用するのかというのが不安です。アドバイザーとして会社に残る道もあるようなのですが…地方の工場に飛ばされるかもしれないし…それにいまより収入がだいぶ減るのでどうしたらよいものかと…
CC2 [ 空 欄 A ]
CL2 子どもの教育費もあるし、まだまだ働かないと、年金をもらえるのは先の話だし、それまでどうやって収入を得るのか、切実です。
CC3 経済的なこともあってまだまだ働かなきゃというお気持ちなんですね。
CL3 はい、人生100年時代って言われてるし、将来的にも今の生活水準を保つには、年金だけでは足りないと思います。ある程度は経済的に余裕がある生活をしたいですし…。ただ、40歳半ば過ぎから体力の衰えをすごく感じるようになりました。以前なら簡単に仕上げられたような仕事も今は苦労してるので、新しい仕事をするにしても体力的なことが気になりますね。
CC4 そうですか。今後のお仕事を考えるうえで他に気になることなどはありますか?
CL4 そうですね。でも自分に何ができるのかな…。今まで仕事をやってこられたのは、やりがいがあって、職場のみんなと力を合わせて仕事できる環境だったからです。もうこんな仕事はないと思うんですよね。またそんな仕事ができるといいですけどね。どうせ働くなら、社会で自分が必要とされる仕事をしたいです。
CC5 社会に必要とされるような仕事をしたいのですか。
CL5 働いていないと家庭や社会に居づらいというか、居場所がなくなってつらいと思うんです。それに妻も自分が家にいるのは嫌だと思うし、何かしら働かないと…。だけど何でもいいってわけでは…。
CC6 そうですか。では、Zさんの今後の仕事のために、[ 空 欄 B ]について考えてみるのはどうでしょうか?
CL6 ああ、そうですね。そのように考えてみようかな。
以下略
設問
設問1 逐語の空欄Aで、キャリアコンサルタントとしてあなたならCL1の発言を受け、どのような応答をするか記述せよ。(10 点)
設問2 キャリアコンサルタントとして、あなたが考える相談者の「問題」を記述せよ。(10 点)
設問3 この事例の展開に関し、以下の問いに答えよ。(30 点)
(1) Zさんに対しどのような提案を行うか。逐語の空欄Bに入る、あなたが考える提案の要点を2つ記述せよ。
(2) 設問3(1)で解答した2つのうちいずれかを選択して、キャリアコンサルタントとしてあなたはこの面談で、この後どのような働きかけを行うか、具体的に記述せよ。
以上
第10回 実技(論述)(キャリ協)